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2015年9月9日水曜日
世界遺産 大板山たたら製鉄遺跡 のナゾ ~萩市~
今年(平成27年)7月5日、萩市の松下村塾等5箇所ほか、全国8県の32の施設や遺跡等が「明治産業革命世界遺産」として正式に登録された。
世界遺産登録は、山口県としてはもちろん初めてであり、一県民としても大変嬉しい。
そこで、せめて県内の世界遺産がどんなものであるか知っておきたいと思い、これまで全く知らなかった「大板山たたら製鉄遺跡」を、先日見学してきた。
大板山たたら製鉄遺跡は、萩市とは言っても旧福栄村紫福という地区の、人里離れたかなり山奥にある。
まず、たたら製鉄遺跡について簡単に説明すると、砂鉄を使用して製鉄する日本独自に発展した製鉄方法で、足踏み式の送風装置を「たたら」と言い、それで燃料の木炭を燃やして炉の中の砂鉄を融解して銑鉄などを作っていたものだ。
ところで、大板山たたら製鉄所で原料とした砂鉄は、なんと隣県・島根県石見地方である現三隅町からはるばる運ばれたものらしい。
江戸時代末期のこと、まずは船で現阿武町奈古まで運搬し、その後は馬の背に砂袋を掛けて、山道を大板山まで運んだとのこと。
奈古から大板山までは直線で約7km、実際は10km以上の遠距離と予測され、馬にとってもかなりの重労働であったに違いない。
そんな苦労をしなくても、「砂より軽い木炭の方を奈古まで運べば良かったのでは?」との疑問がわき、ガイドの方にお尋ねすると、
昔からたたら製鉄では 「砂鉄七里に、炭三里」と言われ、木炭はかさばるので現地調達が原則だったそうだ。
なるほど、そう言えば「大板山たたら製鉄遺跡」付近は、現在でもうっそうとした山の中、付近一帯には各種材木が林立しており、昭和時代になっても付近では炭焼きが盛んに行われていたとか。
以上、「大板山たたら製鉄遺跡」にまつわる私の一つの疑問、ナゾが解けた次第。
大板山たたら製鉄遺跡はかなり山奥だが、途中に案内看板も沢山立てられ、直近の狭い道には数カ所に警備の方がおられて、スムーズに現地に往復できるよう配慮されている。
また、現地では、ボランティアガイドの方が親切に説明して下さり、地元のご夫人方による特産品の販売もされているので、ぜひ、一度行ってみてもらいたい。
現地に行くには、定期的なシャトルバスもあるようだが、旧福栄にある道の駅ハピネスふくえをまず目ざし、そこからは案内標識に沿って車を走らせば、20分前後で到着する。
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