美祢市美東町長登に、「長登銅山跡」があります。
この銅山は7~8世紀初頭から銅の産出を始め、昭和35年に閉山されるまでの長きにわたり多くの銅を産出しましたが、日本で最も古い銅山と言われています。
ところで、東大寺の大仏にはこの長登銅山の銅が使われており、ここは「奈良の大仏のふるさと」として有名ですが、なぜ奈良から遠く離れた地の銅が選ばれたのでしょうか?
その点に疑問を感じて調べてみたところ、なるほどと思われる理由がわかりました。
その理由は、長登銅山の銅の「質」にあったのです。
つまり、長登銅山の銅には
○ まず一つは、ヒ素の含有率が非常に高く、他の銅山の100倍以上であり、
ヒ素が多く含まれると溶解温度が下がり、鋳造作業がやりやすかったこと
○ もう一つは、秋吉台の近くから理解できるように石灰質を多く含んでいる
ため、鋳型に流し込む場合に粘りけを弱め、やはり作業がしやすかったこと
という科学的根拠があったわけです。
遠い昔のことですが、実にすごいですね。
なお、長登銅山の銅を使用したという事実の証拠としては、
○ 正倉院所蔵の古文書の中に長門国から奈良まで銅を運搬した方法や
量等が具体的に記録されていること
○ 昭和63年に大仏鋳造用の青銅が発見され、それを分析した結果、長登
銅山の銅であることが裏付けられたこと
と言うわけです。
なお、長登(ながのぼり)という地名の由来に、地元では昔から奈良登り(ならのぼり)がなまったものとの言い伝えがあったようですが、これも見事に裏付けられました。
現在、長登銅山の坑道跡や付近の精錬所跡などは国指定史跡としてよく整備され、子供たちでもよく学習ができる文化交流館もできています。(下記HP参照)
山口県民として、ぜひ一度見ておく価値がある旧跡のひとつです。
場所
山口県美祢市美東町長登610番
TEL/FAX 08396-2-0055
http://www.c-able.ne.jp/~naganobo/
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http://www.yama-rentcar-kyokai.jp/
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