下関には「ふく料理」専門店がいろいろありますが、旅館として、また、最も歴史あるふく料理店として、さらに、目の前に関門海峡を望み、海峡の街下関を堪能できる老舗旅館と言えば「春帆楼」が代表格でしょう。
春帆楼は、明治10年代頃に割烹を兼ねた旅館として開業されたようです。
そしてその名も、初代総理大臣:伊藤博文が付けたとも言われています。
春帆楼がある住所は「阿弥陀寺町」(あみだじちょう)と言いますが、もともと阿弥陀寺の方丈があった場所で、阿弥陀寺は慶応4年の廃仏毀釈により廃寺となり、その跡地を眼科医・藤野玄洋が買い取って、明治10年新たに「月波楼医院」を開業したそうです。
その後(藤野玄洋が閉院したのち)、妻のミチはこれを改造して割烹を兼ねた旅館を開業し、それが春帆楼の発祥とのことです。
それまで「ふぐ料理」は、その強い毒性のため禁止されていましたが、明治21年に伊藤博文が春帆楼でふぐ料理を食べたのを契機に解禁され、春帆楼がふく料理公許第一号となりました。
春帆楼は、明治28年3月に日清講和条約(通称下関条約)の舞台となったことでも有名ですが、昭和20年に戦禍で全焼、戦後まもなく再建されたのち、昭和60年12月全面改築され現在に至っているわけです。
その佇まいは、「下関の迎賓館」とも言われており、過去には昭和天皇・皇后両陛下のお泊まりや数々の国の要人も利用しています。
そんな格調高い施設ですから庶民には無縁?・・・と思われがちですが、庶民向けのプランも揃っていますので、下関に来られた方は、是非、利用していただきたいと思います。
特に10人以上だと団体扱いで、ふく会席料理が3,150円から10,500円まで4種用意されており、地元では各種宴会などでよく利用されています。
参考に、団体以外の料理を紹介しますと
○ ふく付会席 (4月から9月まで限定)
一人 5,000円 8000円 10000円 13000円(税別)
○ ふくフルコース
一人 23,100円(税サ込)
28,875円(税サ込) ふくのぶつ切刺し付き
○ ふく鍋コース お一人様
一人 17,325円(税サ込)
○ 宿泊
◆夕食ふくフルコース 1泊2食付 一人
36,960円(税サ込)
◆夕食ふくフルコース 1泊2食付 一人
42,735円(税サ込)
となっており、フルコース付きですから決して高くはないと思います。
なお、春帆楼は日清講和条約が結ばれた会議が行われた旅館としても有名で、現在では敷地内に「日清講和記念館」が設置され、自由に見学できます。
明治28年3月20日から、この「春帆楼」において日清戦争の講和会議が開催されました。
この会議に日本からは全権の伊藤博文、陸奥宗光、清国からは李鴻章など、両国の代表11名が出席したようです。
日清講和に向けて会議が連日行われ、約1ヶ月後の4月17日、ようやく講和条約が締結されました。
その当時の椅子やテーブルなどでそのまま再現した会議室や、両国全権の伊藤博文、李鴻章の遺墨など関係資料が多数この記念館に展示されており、自由に見学できます。
日本近世の夜明けの舞台となった「春帆楼」、どうかご自分の目と心で直に感じ取っていただきたいものです。
春帆楼
〒750-0003 山口県下関市阿弥陀寺町4-2
http://www.shunpanro.com/shimonoseki/会員紹介:株式会社トモタ:南陽レンタカー
(周南市新田2-6-1 ℡0834-62-4610)
レンタカーのご要望は、山口県レンタカー協会加盟店へ
http://www.yama-rentcar-kyokai.jp/
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